「フレイル」という言葉をこれまで耳にされたことはありませんか?フレイルという言葉は、2014年に日本老年医学会から提唱されました。高齢者が運動不足や栄養不足による筋肉の痩せから足腰が弱くなり、そのまま放置すれば、歩けなくなり寝たきりになることがあるため、それを予防しましょうという考え方です。医療機関などで患者さんに直接、フレイユにならないように気を付けましょう・・・と、外来などでお声かけするケースもあると思います。「アイフレイル」というのは「目のフレイル」という意味で、昨年、日本眼科啓発会議から提唱されました。アイフレイルは他の身体のフレイル(転倒し骨折しやすい、認知症が悪化するなど)を進行させる原因にもなり、アイフレイル対策が大切だと言われています。
目のさまざまな機能は、加齢とともに衰えていきます。そこに外的要因(生活習慣や喫煙、薬剤など)や内的要因(強い近視や糖尿病、遺伝など)が加わり、いろいろな目の病気を発症あるいは予備軍の状態になり、視機能が低下、またはそのリスクが高い状態になります。これを「アイフレイル」と言います。そのまま放置すれば、歩いたり家事をしたり読書を楽しむなどといった日常生活が制限されるようになり、寝たきりや認知症などで健康寿命が短くなることがあります。なんとなく見えにくいと感じている方は多いと思います。老眼やドライアイ、軽い白内障などであればそれほど心配はいりませんが、緑内障や加齢性黄斑変性などの一部の病気には、素早い治療を必要とする場合もあります。日本眼科啓発会議がアイフレイルチェックリスト(以下)を作成しています。2つ以上あてはまる場合は、アイフレイルの可能性がありますので、一度眼科を受診されてはいかがでしょうか?早期に発見し適切な治療や対策を行うことで、回復させたり進行を遅らせたり症状を緩和することを目指します。そうすることで、日常生活に不自由を感じたり要介護状態にならないよう、読書やスポーツ、趣味などを楽しむ豊かな生活を送れることを目標としています。