近年、子供たちの近視が増えて、低年齢化していることが、世界的な問題になっています。原因としては、スマートフォンやゲームなど、低年齢から画面を長時間見ることや、外遊びの時間が減っていることが考えられます。近視は将来、網膜剥離や緑内障といった病気のリスクを上昇させるということもわかっていて、進行を抑えることが大切です。(近視の進行予防については小児眼科のページもご覧ください。)
当院では、小児の近視の進行抑制を目的とした点眼治療を行っています。参天製薬リジュセアミニ点眼液0.025%を1日1回就寝前に点眼することで、近視の進行を一定程度抑える治療法です。
参天製薬がシンガポール国立眼科・視覚研究所であるアイリサーチインスティテュート(SERI)と共同開発し、2024年12月に厚生労働省により製造販売が承認された、国が初めて認可した近視進行抑制を目的とした点眼液です。(写真は参天製薬ホームページから引用)
子供の近視は、眼球が前後に伸びて(眼軸長が伸びる)、ピントが網膜に合わなくなり、遠くのモノや字がぼやけて見えるようになります。近くを見る時間が長いと、眼軸長(眼球の前後の長さ)が伸びて近視になりやすく、一度眼軸長が伸びると戻ることはありません。眼軸長の伸びを抑えることが近視の進行予防には大切です。また、眼球は体が成長する時期に伸びることが多く、低年齢の頃に速く伸びる可能性があります。(イラストは参天製薬ホームページから引用)
リジュセアミニ点眼液(低濃度アトロピン)は、眼軸長を伸ばす働きに関係するムスカリン受容体という部分に働きかけることで、近視の進行を一定程度抑える効果があると言われています。アトロピンは、昔から眼科で眼底検査で散瞳するために使われていた薬剤で、瞳孔を開き、ピント調節機能(調節)を一時的に止める働きがあります。1980年代以降、アジア圏(特にシンガポール)で低濃度アトロピン点眼薬に近視の進行予防があるということがわかり、研究が進みました。実際に臨床試験で近視進行の抑制効果が認められ低濃度にすることで、副作用がほとんどなく、安全に使えるということがわかりました。日本で初めて参天製薬が製造した低濃度アトロピン点眼薬は以下の特徴があります。
申し訳ございませんが未定です。少々お待ちください。